書評『読みたいことを、書けばいい。(田中泰延)』

 

こんにちは。クロマッキーです。

 

本日は、電通で24年間、コピーライター・CMプランナーとして活躍された田中泰延さんが執筆された書籍である「読みたいことを、書けばいい。」 の内容を紹介していきます。

 

ブログなど、記事を書く方にとっては役に立つ内容の本だと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

はじめに

 

この本は、電通で24年間、コピーライター・CMプランナーとして活躍された田中泰延さんが「文章を書くための考え方を示す本」として書かれた本です。

 

なので「文章の書き方〇〇ステップ」「バズる記事を書く方法」などといったテクニック本とは異なり、文章を書くことの本来の楽しさと、めんどくささを読者の方に知ってもらうために書かれた本です。

 

本書の章構成は以下です。

 

第1章 なにを書くのか 〜ブログやSNSで書いているあなたへ〜

第2章 だれに書くのか 〜「読者を想定」しているあなたへ〜

第3章 どう書くのか 〜「つまらない人間」のあなたへ〜

第4章 なぜ書くのか 〜生き方を変えたいあなたへ〜

おわりに いつ書くのか。どこで書くのか。

1章ずつ紹介していきます。 

 




第1章 なにを書くのか 〜ブログやSNSで書いているあなたへ〜

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<まとめ> 

自分の書く文章の分野、言葉の定義や実態を理解し、明確にすることで、他人に意思を伝達することができる。

 

<要点>

・ネットで読まれている文章の9割は「随筆」で書かれている

・随筆とは、「事象と心象が交わることをに生まれる文章」

事象とは:世の中のあらゆるモノ・コト・ヒト

心象とは:事象に触れて心が動き、描きたくなる気持ち

 →例を挙げると、映画評論における随筆とは、映画を観たという事象と、それみた時の心の動き、つまり心象をを合わせて書いたことにより生まれる文章を言う。

・自分の書く文章の分野を知っておくべき

・事象中心の文章の特徴:

内容: 「報道」「ルポルタージュ」

書き手:「ジャーナリスト」「研究者」

・心象中心の文章の特徴:

内容:「創作」「フィクション」

書き手:「小説家」「詩人」

→どちらでもない「随筆」という分野で文章を綴り、読者の指示を得ることで生きていくのが、いま一般に言われる「ライター」

・言葉の定義を明確にする

・定義をしっかり持てば、自分がいま、何を書いているかを忘れることはない

→自分自身がその言葉の実態を理解することが重要で、そうでなければ他人に意味を伝達することは不可能。

 

この本を読む以前は、僕は今まで文章を書くときに、「事象」と「心象」を意識して書いたことがありませんでした。

 

しかし、意識してみると、自分の書いている文章が、記事によって「心象中心」の小説に近い文章になっていたり、「事象中心」の研究論文のような記事になっていたりすることがわかってきました。

 

このことを知っているだけでも、自分の文章の書き方や記事によるバラツキが偏らずに書くことができるのではないかと、新たな気づきが得られました。

 

しかし、1章に書かれている内容は比較的当たり前のことのようにも思え、Amazonのレビューをみると、1章で読むのを辞めてしまった方もいるようです。

 

僕の感想としては、3章から面白くなるので最後まで読むことをオススメします。

 

第2章 だれに書くのか 〜「読者を想定」しているあなたへ〜

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<まとめ>

 文章は、他人の評価やターゲットを決めず、自分が読みたいと思う内容を書く。

書いた文章を読んで喜ぶのは、まず自分自身であること。

 

<要点>

 ・「誰かにメッセージを届けよう」というメッセージ自体が間違い

・書いた文章を読んで喜ぶのは、まず自分自身であること

・文章は、全く誰からも褒められなかったとしても、朝出かける時、最低限、自分が気に入られるように服を着ることと同じこと。

  ・自分で独り言を言って自分で笑うようなもので、「知らない読み手を想定して喜ばせる」よりはるかに簡単。

・誰かが書いているなら、読み手でいよう

→自分が言いたいことを書いている人がいない = 自分が書くしかない。

・何を書いたかよりも、誰が書いたかが重要なので、バズる文章より、書いた文章を自分が面白いと思えれば良い

 

本書のタイトルともなっている「読みたいことを、書けばいい。」と言う内容です。

 

誰かの評価のためでも、誰かをターゲットにした文章でもなく、自分が読みたいと思える文章を書きさえすれば良いとのこと。

 

そうすることで、苦痛である長い文章を書くと言う作業でも行うことができる。とのことです。

 

僕は、ブログという性質上、誰かに向けて記事を書くことが多かったのですが、確かにまずは自分が読みたいと思える文章でなければ、人が読みたいとは思ってくれない。ということを聞いて少しだけ「ハッ」とさせられました。

 

もちろん自分が読みたいと思うだけの自己満足的な文章だけでは、人は読んでくれないため、その対策については3章で解説しています。

 

第3章 どう書くのか 〜「つまらない人間」のあなたへ〜

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<まとめ>

事象に出会った時、そのことについてしっかり調べて、愛と敬意の心象を抱けたならば、過程も含め、自分に向けて書けば良い。

 

<要点>

・自分が楽しいと思っているからと言って、読んだ人が楽しいと思うわけではない

・つまらない人間 = 自分の内面を語る人

(例:「今日は寒い、寒い」「私ブロッコリーが嫌い」と言う人(事象がない)

・少しでも面白く感じる人というのは、その人の外部にあることを語っている人

・事象とは、常に人間の外部にあるものであり、心象を語るためには事象の強度が不可欠

・物書きは「調べるが9割9分9厘9毛」

・書くという行為においてもっとも重要なことはファクト

・ライターに仕事はまず「調べる」ことから始める。そして調べた9割りを棄て、残った1割を書いた中の1割にやっと「筆者はこう思う」と書く。

・つまりライターの考えなど全体の1%以下で良いし、その1%以下を伝えるために後の99%以上が要る。

・感動が中心になければ書く意味がない

・文章を書くにあたっては「どこかを愛する」という作業をしなければならない

・「愛する方法」は2つある

A:資料を当たっていくうちに「ここは愛せる」というポイントが見つかる

B:さっと見て「ここが愛せそうだ」と思ったポイントの資料を掘る。自論を強化するために良い材料を揃える

・愛するポイントが見つかったら「私が愛した部分を、全力で伝える」

・それでも愛が生じなかったら「つまらない」「わからない」これも感動のひとつ。「批評」として機能させることができる。

・しかし「敬意」を失ってはいけない

・愛と敬意。これが文章の中心にあれば、あなたが書くものには意味がある

・結論の重さは過程に支えられる

・これだけは伝えようと思う話がある。たくさんある情報の中で、「伝えたい」モノを拾い上げてトピックにすること

・過不足がないと自分で思えた時、それは他人が読んでも理解できるものになる

 

「ライターの考えは全体の1%以下で良く、その1%以下を伝えるために後の99%以上が要る。」という話は驚きでした。

 

映画評論の記事を時々読んでいると「良くこんなに詳しく文章が書けるなぁ」と思うことが多々ありましたが、実はライターの方は。事象を徹底的に調べて、その上で筆者の考えを少しだけ織り交ぜて書いていたということを初めて知りました。

 

もしかするとブログの書き方も同じで、事象となる「ためになる情報」を徹底的に調べ、筆者の心象を少しだけ織り交ぜることで、良い文章になるのではないかと思います。

 

第4章 なぜ書くのか 〜生き方を変えたいあなたへ〜

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 <まとめ>

 書くことは世界を狭くすること。しかし、その小さななにかが、あくまで結果として、あなたの世界を広くしてくれる。

 

<要点>

・書くということは世界を狭くすること

・例えば「それは、8月だった。尾道の夜のことだった。」と書き始めると

・真っ白な原稿用紙の大宇宙の全てを含んでいた世界が、削られてしまう

・しかし、恐れることはない、なぜなら、書くのはまず、自分のためだからだ。

・あなたが触れた事象は、あなただけが知っている。あなたが抱いた心象は、あなただけが覚えている。

・あなたは世界のどこかに、小さな穴を掘るように、小さな旗を立てるように、書けばいい。すると、だれかがいつか、そこを通る。

 ・書くことは世界を狭くすることだ。しかし、その小さななにかが、あくまで結果として、あなたの世界を広くしてくれる。

・文字がそこへ連れてゆく

・悪い言葉を発すると、悪い言葉は必ず自分を悪いとことへ連れていく。良い言葉を発すると、良い言葉は必ず自分を良いところへ連れてゆく。

・自分のために書いたものが、誰かの目に触れて、その人と繋がる。孤独な人生の中で、誰かと巡り会うこと以上の奇跡なんてない。

・書くことは生き方の問題である。

 

文章を書くということは世界を狭くすることだが、その文章を書くことで誰か人と繋がり、その文章が自分をどこかへ連れて行ってくれ、世界を広げてくれる。

 

元コピーライターらしい感慨深い内容だと思いました。

 

僕が予備校へ通っていた時の、代ゼミの英語講師の西谷昇二先生の言葉を思い出しました。

 

「Only is not lonely(一人は孤独ではない)」

自分が1人で井戸を深く深く掘っていけばいつかは誰かと繋がる。 

 

自分自身が事象から得た心象を文章として書くことによって、自分の世界を広げてくれる。

 

僕もこのブログを通して人々に自分の心象を伝え、広い世界へと行きたいですね。

 

最後に

 

いかがでしたでしょうか?

 

 本日は書籍『読みたいことを、書けばいい。(田中泰延)』をご紹介しました。

 

文章のテクニック本というよりは、心構えのような内容だったので、おそらく内容が薄く感じてしまった方も多いかもしれません。

 

ですがこの本は心構えなので、僕が思うに文章を書くことの本質が書かれた内容だと思います。

 

なのでこの本の通りに文章を書いていれば、テクニック本のテクニックを真似するよりも文章を書くことによる効果が得られるのではないかと思います。

 




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